2023/04/20 11:12
私の友人が住む街・Uri(ウーリ)州Flüelen(フリューエレン)をご紹介します。ワインの産地ではないのですが、私にとってスイスとのご縁の始まりの街です。
スイスの空の玄関口・チューリッヒ空港からフリューエレンまでは車で2時間弱、スイスは鉄道網が発達しているため、列車でのアクセスも簡単です。
「4つの森の州の湖」という意味のVierwaldstättersee(フィアヴァルトシュテッター湖、通称ルツェルン湖)沿いに位置し、駅を中心にして湖を取り囲むように遊歩道が整備されています。山の麓にある教会の鐘の音を聞きながら、人々はゆったりお散歩したり、サイクリングやジョギングを楽しんでいます。
サイクリングの途中、友人宅の末っ子くんは桟橋から直接湖に飛び込んでいました。広い湖には遊泳可能な場所が多くあり、私たちも水着に着替えて泳いだり、カヤックを楽しみました。秋は紅葉が美しく、冬は近くの山でスキーもできますが、個人的には過ごしやすい夏がおすすめです。
フリューエレンの両隣りの街には、スイスの伝説に登場する民衆の英雄で弓の名手、ウィリアム・テルにまつわる観光名所があります。
Altdorf(アルトドルフ)にはテルがリンゴに矢を放ったとされる場所に銅像が立ち、Sisikon(シシコン)には悪代官の手を逃れたテルが飛び移ったとされる場所にテル礼拝堂があります。
車の場合は駐車場から石畳の階段を降りていくと、あるいはフェリーでTellsplate停留所から数分歩いた湖岸にテル礼拝堂がひっそりと佇んでいます。フェンスで囲まれているため中に入ることはできませんが、テル伝説をモチーフにした美しい4点のフレスコ画を眺められます。
湖の名称の由来である「4つの森の州」とは、湖を取り囲むシュヴィーツ、ウーリ、ウンターヴァルデン(現・ニトヴァルデン&オブヴァルデン)、ルツェルンですが、1291年、ルツェルンを除いた3つの州が近隣のRütli(リュトリ)の丘で永久同盟を結び、スイス連邦が誕生しました。
フリューエレン自体は湖と山に囲まれたのんびりとした街で、スイスのガイドブックにも載っているかいないか…。「地球の歩き方」にも、1991年にスイス建国700年を記念し整備された「スイスの道」というハイキングコースについてのコラムに少し掲載があるくらいの穴場ですが、おすすめは、中央スイスの中心都市・ルツェルン発着の湖船クルーズの利用です。
1時間くらいの短いクルーズからランチが付いた半日くらいの長いものまで、ヴァラエティに富んでおり、フリューエレンも含め、湖岸の小さな街を効率よく巡ることができますよ。ぜひ、スイスの原風景を訪れてみてください。