2023/05/18 14:47
ひと昔前とは異なり、スイスワイン同様、スイスチーズもオンラインショップで簡単に購入できるようになりました。また、近所のスーパーや輸入食材のお店を少しまわっただけでも、こんなに多くのスイスチーズに出会えました!
もちろんスイスチーズといっても多種多様なものがあり、おなじみのラクレットや、チーズ専門店に足を運べばテット・ド・モワンヌ、時期によってはヴァシュラン・モン・ドールなども入手可能です。
その中で、私の個人的な感覚ですが、オンラインショップや近所で「気軽に」出会えるスイスチーズの筆頭はグリュイエール、次いでエメンタールだと思います。
どちらのチーズも加熱し溶かすとよく伸びて風味が増すことから、チーズフォンデュやオニオングラタンスープなど、料理に利用することが多いですが…今日はちょっと手の込んだ料理をするのは面倒…なんていう日はありませんか?(私は結構あります!) 大丈夫、そのまま食べてももちろんおいしいです!もっと気軽に、気楽に、スイスワインとチーズを一緒に楽しんでみませんか。今回は、簡単にチーズのご紹介とそのチーズに寄り添うワインのご提案です。
グリュイエール〔タイプ/ハード 乳種/牛 スイスA.O.P.〕
原産地はFribourg(フリブール)州Gruyères(グリュイエール)。ジュラ山脈の自然の中でのびのびと育った牛たちのミルクをたっぷり使用した風味豊かなチーズで、表皮はビスケットのような硬さですが、中の生地はしなやかです。熟成期間6~9ヵ月の「クラシック」、10ヵ月以上の「リザーブ」があります。
[ワインとのマリアージュ]
株式会社プログレス アレクリア事業部 グリュイエール × デレア キャール・ディ・ルーナ ビアンコ ティチーノ 2018
チーズは1㎝弱の薄切りカットで食べやすいサイズです。香りは強すぎず程よいナッツの風味。酸味もアクセント程度で優しくマイルドな味わいです。ソフトな口あたりながら弾力があります。ワインのしなやかな酸がチーズの優しい酸と呼応し、チーズのクリーミーでマイルドな味わいをワインの心地よいタンニンが包み込む、洗練され、飽きのこない組み合わせです。
[ワインとのマリアージュ]
成城石井 スイスグリュイエール 5ヶ月熟成 × ドメーヌ・パショー レ・ダール シャスラ 2021
チーズは1.5㎝程の厚みがあり、食べごたえがあります。ややしっかりめのナッツの風味。嚙むごとにマイルドな酸味、甘み、塩味が口の中にバランス良く広がります。ワインと合わせると、ワインのシャープな酸がチーズの甘みを引き立てます。ワインの紹介文にも書いた通り、グリュイエールとの相性抜群です。ぜひお試しください。
エメンタール〔タイプ/ハード 乳種/牛 スイスA.O.P.〕
原産地はBern(ベルン)州Emmental(エメンタール)の渓谷。原産地ベルン州を中心としたドイツ語圏では「エメンターラー」と呼ばれています。チーズ製造時に添加される「プロピオン酸菌」の働きによってできる直径1~3㎝の孔「チーズアイ」が大きな特徴です。アニメ「トムとジェリー」に登場する、あのチーズです!ほんのりした甘みのある、マイルドで淡泊な味わいです。
[ワインとのマリアージュ]
ムラカワ株式会社 スイス産エメンタール × プロヴァン プティット・アルヴィン スペシャリテ・デュ・ヴァレー 2015
チーズは幅約3㎝、大きめのカット。マイルドで穏やかな香りがあり、クセのない淡泊な味わいで、ほのかに甘みを感じます。弾力があり、部位によっては噛みごたえがあります。ワインの酸味、苦味、岩塩のようなミネラルがチーズのマイルドな甘みによってまろやかになり、チーズの優しい味わいがワインのフルーティーさを引きたてます。
チーズとワインの組み合わせには無限のパターンがあり、「絶対にこうでなくてはならない」ということはないと思います。一般的に和食と日本酒や日本ワインの相性が良いように、今回は「産地同士の相性の良さ」という観点からスイスワインとチーズを組み合わせてみました。ご参考にしていただけると幸いです。皆さまも是非、様々なワイン、飲料とスイスチーズを組み合わせてお楽しみください!